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これもひどい
(2008-12-22)
「現代思想」の吉本隆明特集のアホくささにはがっかりしたが、この本も懲りずに自分がまわりをうろついていた全共闘のイデオロギー操作を信じている著者の何度目かの駄本。肝心なポイントだけは何も読めていない大愚作である。この論者は20世紀は、共産党の文化人ボス花田清輝と左翼党派根本否定の吉本さんの論争をとりあげ、左翼を擁護して、21世紀の今度は世界中から批判されつくされたサルトルを持ち出して、こみにして、大時代な思想巨人の時代は終わったと、これまた30年前も吉本信者=アンチ吉本からよく言われていたことと同じ結論を出している。そうかねとしかいいようがないが、左翼団体を全否定した吉本氏へのうらみつらみからやりたいのだろうなと思うと書物として情けない。また吉本さんという人はこういう論壇知識人に相当にうらまれているのだなとその執拗さにも驚く。そろそろ還暦も過ぎたころだろうし、自分の親玉の殻谷行人、蓮見重彦、西部邁などの新左翼崩れの周りをうろつくのはやめて、得意分野をどんどん進めればよいのに。こういう人や橋爪大三郎の「永遠の吉本隆明」なども、言ってみれば、アメリカのど田舎教師がいきなり日本の歌謡曲を聴いて、キリスト信仰でもってでたらめな解釈をして悦にいっているような、陰惨かつ漫画的光景である。

